◇勢いにのる出版社 幻冬社

   

出版業界とは浮き沈みの激しい世界で、新しく生まれては消えていったりと栄枯盛衰が激しいです。
出版業である以上基本は書籍を市場に出すのが仕事であり、その性質上社会の「文化」を担う側面があります。

近年では映画テレビ、ゲームやインターネットを書籍以外の娯楽も増え、少子化もあいまって出版不況とも言われています。
そんな中で1993年という新しい時期に会社を設立しながら、特色のある書籍を出版し、数々のベストセラーを出した個性ある出版社があります。それが幻冬社です。


●幻冬社ってどんな会社?
出版社の中では独特の詩的な名前を持ちますが、それもそのはずで作家の五木寛之さんが考えたものです。
立ち上げ時より創業者の見城徹氏の協力していたそうです。

見城氏ら創業のメンバーは角川書店の有力な編集者でした。
それが勤めていた角川がスキャンダル事件で大騒ぎになったのを期に退社して新しく設立した会社です。


●創業者の個性が際立つ会社
出版業は莫大な資金が動きます。芸能界と同じく簡単に成功するかどうかは誰にも予測できません。
いくらやり手の編集者が中心になったところでそれは同じです。
出版不況とも言われる中で新造の幻冬社が急成長したのは、創立者の見城氏の個性が大きかったとされます。

大学時代には学生運動にはまり、数々の経験を重ねる中で独特の人生観を持つようになりました。
相手への正面突破が人生を切り開くと考えをもち、角川春樹さんに惹きつけられて角川書店に入ります。

編集者には向いていたらしく入社して手がけた実用書が大ヒット。
それからも人気作家や芸能人とつながりをもち、華々しく活躍していきます。

その実力は角川を嫌ってる作家にも本を出させるぐらいのものがあったそうです。

自らを「異端者」と呼ぶ独特の個性と、作家と熱意をもって真剣にぶつかり合う生き方。
これがお互いの信頼を作り上げたのかもしれません。
何でも執筆を頼みたい作家には何通も本の感想を送ったり、相手の書籍を全文暗記できるほど読み込むそうです。

手がける雑誌の部数を爆発的に増やしたり、数々のベストセラーを生んできたのも、こうした熱意が原動力になってるのかもしれません。

●ベストセラーになった幻冬社の書籍
『ダディ』(郷ひろみ)
『陰日向に咲く』(劇団ひとり)
『解夏』(さだまさし)
『13歳のハローワーク』(村上龍)
『ニート』(玄田有史・曲沼美恵)
『大河の一滴』(五木寛之)
『弟』(石原慎太郎)
『ふたり』(唐沢寿明)
『永遠の仔』(天童荒太)
『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論シリーズ』(小林よしのり)

ラインナップを見て分かる通り、作家だけにとどまらず広く芸能人やミュージシャンも多いのが特徴です。

●幻冬社アウトロー文庫
「アウトロー」とわざわざ銘打ってあることから分かるように、キワモノ的な本、漫画、裏社会系統の本もあります。
一時「アウトロー文庫」用の文学賞も世広く募集されていました。

浅田次郎『極道放浪記』
宮崎学『突破者』
阿佐田哲也『麻雀放浪記』
団鬼六『真剣師 小池重明』
鶴見済『完全自殺マニュアル』、
高見広春『バトル・ロワイアル』
団鬼六『花と蛇』
青木雄二『ナニワ金融道』
業田良家『自虐の詩』
東陽片岡『やらかい漫画』
花輪和一『刑務所の中』

●幻冬社よしもと文庫
お笑いの会社「よしもと」の芸人を主に対象としているのですから珍しいシリーズです。

田村 裕『ホームレス中学生』
又吉 直樹『第2図書係補佐』
大島 美幸『ブスの瞳が恋されて』
吉田 敬『ブラックマヨネーズ吉田敬のぶつぶつ』
菅 広文『京大芸人』
松本 人志『シネマ坊主』
島田 紳助、松本 人志『松本紳助』


ざっとこれだけ見ても独特な存在感のある会社だと分かりますよね。
こうした個性が短期間で急成長して有名になった秘訣なのかもしれません。

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